入船亭扇治通信(第75回)   

2010年 11月 30日
 秋を飛び越して師走の寒さになったり、遅れてきた台風が大雨の被害をもたらしたりと、相変わらず妙な陽気が続いております。皆様いかがお過ごしでしょうか。
 10月上席、末廣亭のトリにはたくさんの方にお運びいただきまして、まことにありがとうございます。夜に真打披露を控え、曜日まわりもいいとあってお立ち見の出る盛況、結構なお給金を頂戴しました。
 今月は寄席はお休み、9日~26日午前まで北九州近辺の学校を回ります。土日祝日は公演がないのですが、交通費節約のため行きっ放し。どうしたものかなと思っていたら、熊本と博多で会をやっていただけることになりました。そのほかの空き時間には稽古の合間に方々歩いて、みやげ話のネタを探すつもりです。
 学校公演といえば、先日子どもが通っている小学校で個人的に頼まれ、PTA主催の寄席をやりました。予算がないのに快く出て下さった林家正楽師匠と古今亭志ん輔師匠。おふたりの高座を袖で見ていて、低学年と高学年で演じ方を変える心づかい、子どもだからといって妥協しない芸、それに対する子どもの反応に、鳥肌が立つほど感動しました。
 小学生に限らず「本物の芸」をぶつければ、どんなお客様でも(よほどの酔っぱらいとか日本語のあまりわからない人は別にして)惹きつけられるものなのです。自分の不勉強を棚に上げて「あーあ、今日のお客さんはダメだ」などと生意気なことを言ってやけ酒を飲んだりしちゃいけないな、と反省した次第です。
 という訳で、少しでも皆様の心に届く噺ができるよう、寄席に出ないときも精進いたします。今月もよろしく、お願い申し上げます。
扇治
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by irifunetei_senji | 2010-11-30 00:00 | 入船亭扇治通信