入船亭扇治通信(第80回)   

2011年 04月 30日
 今回の大震災でご自分が、ご家族が、ご親戚が、お友達が、お知り合いが被害にあわれた方。避難所で、原発の屋内退避圏内で、圏外でも風評被害や物資不足、物流困難で耐乏生活を強いられている皆様。電力不足や必需品の品薄で困っている首都圏の方々。災害現場で救助作業に放射性物質の封じ込めに従事している人たち。
 申し訳ございません。私はまだ何もしていません。していないどころか、まだ震災の全容が明らかになる前は「仕事がキャンセルになると困るな」と自分のことを真っ先に心配しました。家族のためと言い訳しながら、トイレットペーパー、ティッシュ、ミネラルウォーター、食料品も直後に買い足しました。我ながら小さい人間だと思います。
 でも、それに気付かない、恥ずかしく感じない、そこまで落ちてもいないつもりです。まず自分にできるところから、今からでも始めていきます。高座がいただける時は、精一杯お喋りします。
 これから復興に向かい、また私の噺を聞いていただけるときは、今まで以上に本物の話術・真剣勝負の話芸が求められてくることでしょう。それに備えて、落語の体力もしっかりつけておきたいと思います。皆様の胸に、少しでも明るい灯をともせる噺家を目指して。
扇治
[PR]

by irifunetei_senji | 2011-04-30 00:00 | 入船亭扇治通信