入船亭扇治通信(第82回)   

2011年 06月 30日
 例年より早い梅雨入りに台風の到来。雨の多い季節、皆様食中毒にはくれぐれもご注意を。被災地に二次被害が出ないこと、祈念しております。
 黒門亭でやりました『甲府い』に、大変好意的なご感想をお寄せ下さったお客様、ありがとうございます。ついつい自分の芸に疑問を抱きがちな今の状況の中、何より励みになるお言葉でした。本来ならすぐ返信すべきところ、私の無精から管理人さん任せなので申し訳ありません。先日にっぽん丸船上でパソコン教室に出たり、少しずつ下地は整えつつありますので、我が家のIT革命まで今しばらくお待ち下さい。
 さて、あまり科学的ではありませんが雨男とか晴れ女の話題です。私は結構強力な晴れ男を自負しておりまして、自分の会等の時は降っていても始まる時には小康状態という時が何度もあります。そのかわり、会場へ向かう途中もっとも雨脚が強くなるジンクスもございまして、ついこの間も東中野~成田東を往復してずぶ濡れになりました。
 まぁ、極端に晴れた、降ったという印象は記憶に残りますから、そこから雨男なんてのも言われ出したのかもしれません。天気に関する話で思い出すのが、大好きなジェローム・K・ジェロームの小説『ボートの三人男』(丸谷才一・訳)に出てくる“天気予報をする老人二態”。今日の天気はと聞かれて「うん大丈夫、今は少し雲があるが午後からは必ず晴れる。わしゃ長いこと空を見てきたからわかる、今日は絶対上天気!」と言い切ってくれるお年寄りはとても頼もしい。もし予測が外れて雨が降り出しても、「まァいいや、あの老人もベストを尽くしたんだ」そう思える。
 逆に、仔細ありげに空を眺めて「こりゃ降ってくるなァ。ちょいと薄日が射しちゃいるが、わしの経験だとこりゃ長もちしない。じきにきっと雨になる」と言われてその通り天気が崩れると、「愛想のないじいさんだ。あいつが雨を降らせてんじゃねえか」腹が立ってくるという……。天気と人間心理、不思議なものです。
 梅雨空でも心は明るくカラリ、晴れ晴れと前向きに参りましょう。
扇治
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by irifunetei_senji | 2011-06-30 00:00 | 入船亭扇治通信