入船亭扇治通信(第64回)   

2009年 12月 31日
 それなりに師走らしくなって参りました。皆様いかがお過ごしでしょうか。
 先日の勉強会で『らくだ』を手がけてから、噺に対する姿勢がまた少し変わりました。今までは“本を素読みにしても面白い”筋物やもっともらしい話、誰がやってもウケやすいおいしい噺と、落語の持つ力に寄りかかって演じる、楽をしたがる傾向がありました。
 それが本当にまだ発展途上ながら、1時間の大作をサゲまで喋ってみて……話術の難しさ、人物を描くことの大切さを、あらためて実感した次第です。
 長い間悩まされてきた鼻と喉の不具合が、このところ幸いと改善されて、格段と喋りやすくなっていることも個人的に追い風です。
 先代小さんが生前よく「新しい噺を覚えられるのは50歳が限度。それまでにできるだけ詰め込んで、後は熟成させる」と言っていました。私も来年は寅の歳おとこ。まだまだ体力のある打ちに、新しい段階へステップアップできればと思っております。平成21年締めくくりの扇治をよろしくお引き立ての程、お願い申し上げます。
扇治
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by irifunetei_senji | 2009-12-31 00:00 | 入船亭扇治通信