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入船亭扇治通信(第67回)   

2010年 03月 31日
 先月までは久びさに冬らしい寒さ、東京でも雪景色が見られましたね。皆様いかがお過ごしでしょうか。
 寒さと言えば、2月3日~7日まで、北海道の東側へ行ってきました。毎年呼んでいただいて今回で13年目の「留辺蘂図書館まつり」。今まで夏にお邪魔していたのが、13年目にして初めて体験する道東の冬!! いやァ寒いなんてもんじゃありませんでした。北見市内で-26.5℃、帽子をかぶらないで表へ出たら、師匠から小言を言われてるような状態。“耳が痛い”という……。
 そんなしばれる気候とは正反対、どこへ行ってもお客様とお世話人さんにあたたかく迎えていただきました。留辺蘂、置戸、津別と温泉あり、おいしいお酒とお料理あり、ゲストのカズ・カタヤマさんと2人で冬の北海道を満喫して来ました。北の大地にあふれる人情、また呼んでいただけるのを心待ちにいたしております。
 2月はまとまった旅がもうひとつ、こちらも恒例の北陸ツアーがありました。ステーキのかた瀬さん、お鮨ののり好さん、どちらも良いお客様に恵まれ、打ち上げもすっかりご馳走になりました。地元のいい食材を一流の腕で仕上げた旬の味をいただくと、しみじみ「噺家っていい商売だなァ、ありがたいな」と思います。
 そのツアー中、22日夜の富山県南砺市の公演が、実は大変だったのです。私が間に入って頼んだトリの大看板が、直前になって出演不可能に! 各方面にご迷惑をおかけした末、本公演は3月に延期、22日当日は代演での無料興行ということになりました。楽しみに予定していただき、遠くから来てくださるお客様。突然のアクシデントに対応すべく、並大抵ではないご苦労をなさったであろう主催者・関係者の皆様、本当に申し訳ございません。どうお詫びしてもし切れるものではありませんから、どのようなお叱りでもという覚悟で伺ったのですが、現地では皆様、大変ご理解のある応対をしていただき、そのご厚意に思わず涙がこぼれました。
 ことほど左様に、噺家というのはたくさんの人たちに支えられて生きているのです。ブログを見てくださっているあなたももちろんそのおひとり。ごひいきの皆様に少しでも喜んでいただけるよう、3月も頑張ります。どうぞよろしくお願い申し上げます。
扇治

by irifunetei_senji | 2010-03-31 00:00 | 入船亭扇治通信