入船亭扇治通信(第95回) ※第2報 |
2012年 07月 31日 |
梅雨未だあけやらず…蒸し暑い日が続いております。皆様いかがお過ごしでしょうか。
6月29日~7月5日、豪華客船にっぽん丸の仕事で北海道の西へ行ってまいりました。横浜出港、奥尻島・天売島・留萌を回るツアー。300人超の好意的なお客様、いつも元気なスタッフに助けられ5回の高座無事に務めることができました。
ただ天候には残念ながらあまり恵まれず、航海中真っ青な空と海360度のパノラマを望めたときは少なかったですね。奥尻島には低気圧の影響による強風で岸壁までの通船を出すことができず、上陸を見送り終日島のまわりを周航することになり、急きょ落語の時間が増えたりしましたが、船のお客様はさすが余裕があり「これもいい思い出」と船内生活を楽しんでいらっしゃいました。
翌日の天売島は上陸できたのですが、いつ降り出してもおかしくない空模様。港の食堂では解禁になったばかりむきたてのウニ、「おいしいよ!」と地元のおばちゃんにすすめられ食指は動いたものの天気とふところの兼ね合いもあり、生唾のんで我慢。かわりに売店で借りた2時間1000円の自転車に颯爽とまたがり、全周12キロの島内を潮風に吹かれつつ…と走り出した時はよかったのですが…。灯台から海鳥を眺めたり、岩場に降りて波と戯れたりとちょっとした詩人気分に浸っているうちポツリポツリと降り出した雨がやがて盆を返したように、というセリフそのままの土砂降り。
港から4,5キロだったら引き返すし7キロ以上走ってたら雨宿りしたのですが、間の悪いことに降られたのがちょうど折り返しの6キロ地点。帰りの通船と自転車の返却時間が心配ですから、えいままよ!と雨をついてのフルスピード。後半6キロはずっと下り坂、道が濡れてブレーキもほとんど効かない状態でびしょ濡れになりながら目を据えて走ってくると、前方にお客様方のツアーバスが。「大丈夫ですか!乗ってきますか?」心配して声をかけてくれる運転手さんに「いやぁ、これが本当の水もしたたるいい男ですよ」と負け惜しみを言ったりしながら、何とか事故も無く風邪もひかず予定の時間内に帰ることができました。旅先の自転車は小回りがきいて重宝ですが、お天気と相談して無理しないのが大事ですね。
留萌の1日については、また別報とさせていただきます。皆様くれぐれもご自愛のほどを。
入船亭扇治 拝
おまけ 扇治写真館
☆天売島全景。全周12キロ。ウニをはじめ海の幸が名物。道内だけでなく全国から釣り客が訪れるのだろう、さほど大きくない島に民宿が10件以上ある。
☆出港するにっぽん丸から、夕景の島に別れを告げる。たとえ自転車で2時間しか滞在してなくても、港を出る時には何とも言えぬ感慨があるもの。
だから船の旅が好きなんだと常連のお客様はおっしゃいますが、なるほどと思えます。
☆海鳥の群れ。ウトウという種類がいちばん多いそうですが、これはウミネコでしょうね。
こういうのをボーっと眺めているから、雨に降られるのです。
☆上の写真ではまるでわからない海鳥の姿のアップ。
たまたまいい餌を見つけたか何かで群れから離れていたのかもしれませんが、その気になって見ると孤高の一匹狼といった風情も感じられる、なかなかの面構えです。
6月29日~7月5日、豪華客船にっぽん丸の仕事で北海道の西へ行ってまいりました。横浜出港、奥尻島・天売島・留萌を回るツアー。300人超の好意的なお客様、いつも元気なスタッフに助けられ5回の高座無事に務めることができました。
ただ天候には残念ながらあまり恵まれず、航海中真っ青な空と海360度のパノラマを望めたときは少なかったですね。奥尻島には低気圧の影響による強風で岸壁までの通船を出すことができず、上陸を見送り終日島のまわりを周航することになり、急きょ落語の時間が増えたりしましたが、船のお客様はさすが余裕があり「これもいい思い出」と船内生活を楽しんでいらっしゃいました。
翌日の天売島は上陸できたのですが、いつ降り出してもおかしくない空模様。港の食堂では解禁になったばかりむきたてのウニ、「おいしいよ!」と地元のおばちゃんにすすめられ食指は動いたものの天気とふところの兼ね合いもあり、生唾のんで我慢。かわりに売店で借りた2時間1000円の自転車に颯爽とまたがり、全周12キロの島内を潮風に吹かれつつ…と走り出した時はよかったのですが…。灯台から海鳥を眺めたり、岩場に降りて波と戯れたりとちょっとした詩人気分に浸っているうちポツリポツリと降り出した雨がやがて盆を返したように、というセリフそのままの土砂降り。
港から4,5キロだったら引き返すし7キロ以上走ってたら雨宿りしたのですが、間の悪いことに降られたのがちょうど折り返しの6キロ地点。帰りの通船と自転車の返却時間が心配ですから、えいままよ!と雨をついてのフルスピード。後半6キロはずっと下り坂、道が濡れてブレーキもほとんど効かない状態でびしょ濡れになりながら目を据えて走ってくると、前方にお客様方のツアーバスが。「大丈夫ですか!乗ってきますか?」心配して声をかけてくれる運転手さんに「いやぁ、これが本当の水もしたたるいい男ですよ」と負け惜しみを言ったりしながら、何とか事故も無く風邪もひかず予定の時間内に帰ることができました。旅先の自転車は小回りがきいて重宝ですが、お天気と相談して無理しないのが大事ですね。
留萌の1日については、また別報とさせていただきます。皆様くれぐれもご自愛のほどを。
入船亭扇治 拝
おまけ 扇治写真館
だから船の旅が好きなんだと常連のお客様はおっしゃいますが、なるほどと思えます。
こういうのをボーっと眺めているから、雨に降られるのです。
たまたまいい餌を見つけたか何かで群れから離れていたのかもしれませんが、その気になって見ると孤高の一匹狼といった風情も感じられる、なかなかの面構えです。
by irifunetei_senji | 2012-07-31 00:01 | 入船亭扇治通信